近年の採用手法について徹底解説!現在の採用トレンドとは?

人手不足が大きな社会問題となり、年々採用がひっ迫してきている昨今、
人材採用は経営最大のイシューとなっています。
この人材獲得戦国時代において、採用に関して頭を抱えている人事・採用担当者の方もおられるかと思います。
そんなお悩みを抱える、企業の採用担当者様に向けて人材業界に身を置く私が、近年の採用チャネルについて解説できればと思います。
今までの採用活動
フリーペーパーからインターネット媒体、LinkedIn、Wantedlyに代表されるソーシャルリクルーティングや、ビズリーチやAMBIに代表されるダイレクトリクルーティングなど、今日に至るまで採用市場では様々な採用チャネルが人材獲得手段として利用されてきました。
ここでは、ざっくりと中途採用に限った採用市場の変遷について、振り返っていければと思います。
専門情報誌・媒体が君臨した100年間
中途採用の歴史(HRogから引用)
1880年代から新聞広告の一部として誕生した求人広告は、直近20年前まで100年以上にわたって人材採用の大部分を担ってきました。
1970年代のリクルートが発行した就職専門情報誌(「就職情報」)の誕生以前は新聞広告での「営業社員募集、委細面談」という3行広告が主流でした。
就職情報の登場以降は、新聞広告から求人広告専門誌への移行が徐々に進んでいきました。
その後はペーパーメディアの全盛期を迎え、各メディアが利用者競争の為に広告を打ちまくるという状況はこの時から引き継がれています。
しかしながら、大きな二つの事象から採用市場は大きな転換点を迎えます。
インターネットメディアの台頭
1995年にインターネットという言葉が社会を席巻し、1998年、リクルートが当時の情報誌「B-ing」のインターネット版としてスタートした「Digital B-ing」(現・リクナビNEXT)の登場以降、すさまじい勢いで人材広告においてもインターネットサービスが普及し始めました。
2003年ごろには情報誌の反響数をインターネットが追い抜くスピード感でした。ちなみに、この2000年初頭の一大変化として、求職者の登録情報のデータベースが構築され始め、ペーパーメディアでは見えなかった求職者情報の可視化による機能の変化も登場します。
業界内では、2010年ごろから企業が直接スカウト送信できるサービスが増え始め、現時点では第2の過渡期に入りつつあります。ただ、過去10年の人事機能の変化やアウトソーシングの隆盛、SNSの台頭なども相まって、求職者データベースを活用したダイレクトメール型のスカウトサービスは、2000年ごろとはまったく異なる様相を呈し始めました。
さらにインターネットの採用業界変遷が知りたい方はぜひ調べてみてください。
人材紹介業の爆発的普及
1999年の有料職業紹介事業の規制緩和において、それまで事実上禁止されていた人材紹介ビジネスが急拡大します。
現在の中途採用市場に人材紹介事業が大きくインパクトを与えるのは、1999年の職業安定法の改正に伴う、民間の有料職業紹介事業の原則自由化です。
人材紹介の取扱職種が、科学技術者と経営管理者に限定されていたものが、解禁され、職業安定法の中で大きな役割を期待されることになったため、2000年以降現在まで(途中リーマンショックで一時的沈下はあるものの)、まさに階段を駆け上がる勢いで一大産業に成長していきました。
令和5年現在、日本全国に約30,000社の有料職業紹介事業者が存在し、これはセブンイレブンの店舗数よりも多い数字となっています。
1999年の規制緩和以降、爆発的に職業紹介事業所が増えているのがわかりますね。
また、ビジネスモデルの変化も加速の一因でした。具体的には、以前まで高額の前受金で行っていた課金形態が、成功報酬型に変化しました。
その結果、人材紹介業界は、参入する事業者と従事するコンサルタント数も激増し、求人広告情報誌が席巻していた中途採用市場の中で、あっという間に逆転するくらいの「売上シェア」を占めるまでに育っていきました。
しかしながら、人材紹介の手数料は高額であるため、人材紹介会社のみを採用手段として使うケースは稀でしょう。
近年の採用動向
採用手法として直近30年間主流であったのはやはり求人媒体と人材紹介です。しかしながら、近年では採用市場において大きな変化が起こっています。
採用の急激な難化
しかしながら、近年の転職の一般化と人材不足の慢性化により、直近5年の有効求人倍率が高騰していることがグラフから読み取れます。
特に成長業界であるコンサルティング、IT、人材サービス業に至っては特に顕著であり、空前絶後の売り手市場となっているのが現状です。
こうした現状から、人材会社には求人が溢れ、求人媒体においては一部の知名度の高い企業を除いて全く応募が来ないといった状況となっています。
この売り手市場の現在において、自社HPや求人媒体に代表されるいわゆる「待ちの採用」では人材採用はおろか、応募すら獲得できないといった状況となってしまいます。
「待ちの採用」から「攻めの採用へ」
この状況を変えるべく、2010年ごろより登場したダイレクトリクルーティングに代表される、いわゆる「攻めの採用」が再び注目されてきています。
少し古い資料にはなってしまいますが、2017年にビズリーチが公表した会員数は約3年間で3倍超へと膨れ上がっています。2024年4月末現在では、約247万人の登録者数を記録し、約10年で10倍と飛躍的な成長を遂げています。
転職希望者が激増した大転職時代の到来と同時に、労働生産人口が顕著に減少している我が国では、企業にとっての人材確保を更に難化させているのが現状です。
ダイレクトリクルーティングでは、求職者は登録するだけで自分にあった求人を見つけることができます。特にスカウトとなれば、内定確率が上昇することが期待できるため、求職者にとってはかなりうれしいサービスといえるでしょう。
しかしながら、ダイレクトリクルーティング市場は多くのサービスが群雄割拠しており、そこから企業からの大量のスカウトが届くため、本来のスカウトの概念が形骸化してしまい、スカウトを送る労力だけがかかり、結果としてスカウトが全く見られずに終わってしまうというような状況となってしまっています。
ダイレクトルリクーティングの中には、LinkedInに代表されるようなソーシャルリクルーティングも含まれます。
海外ではこうしたサービスが割と主流ではありますが、日本ではあまり普及していないのが現状です。
スカウトの形骸化のその後
採用の難化とスカウトの形骸化を受けて、特に最近では海外からの影響もあり、(alumni)とは「卒業生」の意味で、退職した元社員(アルムナイ)を再び採用するアルムナイ採用や、自社の社員から友人や知人などを紹介してもらう手法であるリファラル採用が注目されています。
しかしながら、こうした採用は一部であり、現在では様々な手法を総合的に使用して採用活動を行うような非常に混迷を極めた時代が到来しています。
最後に
この記事では、採用活動(特に中途採用)における採用手法のこれまでと、最近の採用動向について紹介いたしました。
採用手段が変わっていて、採用が難しくなっているのは分かったけど、「じゃあ今困っている人材確保はどう解決すればいいんだよ」という採用担当者様向けに、採用成功のための秘訣と解決法となりうるサービスを紹介します。下記よりご参照ください。
