採用広報ツールの選び方|フェーズ別にわかる使い分けと成功の考え方

H2-1|採用広報とは何をする活動なのか?
採用広報という言葉は広く使われていますが、実務で何をするのかを明確に説明できる人は意外と多くありません。
採用広報をシンプルに定義すると、
候補者が「この会社で働くイメージ」を持ち、納得して応募・入社するまでの情報設計と発信をする活動
重要なのは、採用広報は「求人を補足するもの」でも「広報活動のついで」でもない、採用成果に直結する独立した活動だという点です。
採用広報はおよそ三つのフェーズに分けることができます。
① 認知・理解フェーズ:企業を知り、正しく理解してもらう
まず必要なのは、候補者に存在を知ってもらい、「どんな会社か」を正しく理解してもらうことです。
ここで扱う情報は、たとえば以下です。
- 事業内容・プロダクト
- ミッション・ビジョン
- 会社の成り立ち
- 組織の特徴やフェーズ
この情報が不足していると、候補者は求人を見ても、
「結局、何をしている会社なのか分からない」、「自分がここで働くイメージが湧かない」という状態になります。
採用広報の第一段階は、判断材料をきちんと揃えることです。
② 共感・応募フェーズ:働くイメージをつくる
理解だけでは、応募にはつながりません。次に必要なのが、感情と価値観の部分です。
ここでは、次のような情報が重要になります。
- なぜこの事業をやっているのか
- どんな価値観を大切にしているのか
- どんな人が、どんな想いで働いているのか
- どんな挑戦や葛藤があるのか
これらは求人票には書ききれない部分ですが、実は応募の意思決定に強く影響します。
このフェーズの役割は、「条件が合うから応募」ではなく「この会社で働きたいから応募」へ変えることです。
③ 改良・資産化フェーズ:成果をもとにさらにアップデート
採用広報の最大の特徴は、やればやるほど蓄積されていくことです。
過去に発信した記事やストーリーは、
- 次の採用で再び読まれる
- 応募前に候補者が遡って見る
- 「前から知っていた会社」という印象をつくる
といった形で、後から効いてきます。
逆に、毎回ゼロから説明している、採用ごとに発信が止まるという状態では、採用は常に場当たり的になります。
採用広報の三つ目の役割は、採用広報を資産化することです。
なぜ採用広報は「片手間」だと失敗するのか 保留
採用広報がうまくいかない多くのケースでは、
- 何を伝えるか決まっていない
- 誰に向けた発信か曖昧
- 続ける前提で設計されていない
という問題が起きています。結果として、
- 更新が止まる
- 効果が分からない
- 「意味あるの?」と言われる
状態に陥ります。これは努力不足ではなく、最初の設計の問題です。
H2-2|採用広報ツールの代表例と特徴【全体像を先に掴む】
採用広報ツールと一口に言っても、その役割や得意領域は大きく異なります。
ここではまず、採用広報でよく使われるツールを俯瞰します。
この段階では「どれを使うべきか」は決めません。「こういう選択肢がある」という地図を持つことが目的です。
採用プラットフォーム型|採用広報の中核になるツール
代表的なのが Wantedly です。HERPなどもかなり企業の内側を発信しやすいです。
求人が出せる上に採用広報もしやすく、コンテンツの投稿もできる採用広報ツールです。代表的なのはやはりWantedlyで、会社様によっては求人としての機能よりも、この広報能力を期待して利用している会社様もいます。
特徴
- 求人、会社ページ、ストーリーを一体で運用できる
- 候補者が「仕事 → 会社 → 人・価値観」を自然に回遊できる
- 採用広報と求人が分断されにくい
得意なこと
- 実際に採用につながっているかの数値管理がしやすい
- 共感を軸にした応募動機をつくる
- 採用広報を“積み上がる資産”にしやすい
苦手なこと
- 運用せず放置すると効果が出にくい
- 設計なしでは「普通の求人媒体」になりがち
採用プラットフォーム型は、採用広報の土台・ハブになる存在です。とにかくわかりやすく採用につなげたいという方にオススメです。
コンテンツ発信型|思想や背景を深く伝えるツール
代表例は note や、オウンドメディア、Youtubeなどです。
これはしっかりと重量のあるコンテンツをつくって候補者にちゃんと理解と共感を促すことに長けています。一方で、ある程度の興味がない人には目につかないこともしばしばあります。
特徴
- 表現自由度が高い
- ストーリー性の高い発信ができる
- 採用以外の文脈でも読まれやすい
得意なこと
- 創業背景や事業思想を深く伝える
- メンバー個人の価値観を掘り下げる
- 共感の「深さ」を生み出す
苦手なこと
- 単体では採用導線が弱い
- 読まれても応募に直結しないことがある
新しく候補者をつくるというよりは既に興味ができている、もしくは選考が進んでいる候補者の意向上げの方が得意です。
SNS型|空気感・距離感を伝えるツール
X(旧Twitter)、Instagram、LinkedInなどが該当します。
SNS型の特徴は何といってもユーザー数の多さです。特に若い層はSNSで仕事を探して決める人が増えています。
特徴
- リアルタイム性が高い
- 日常の発信に向いている
- 候補者との心理的距離を縮めやすい
得意なこと
- 会社の雰囲気を伝える
- 継続的な接触をつくる
- ライトでとっかかりをつくりやすい
苦手なこと
- 運用負荷が高い
- 属人化しやすい
- ネタ切れで止まりやすい
まず、知名度を高めたいという方はオススメになります。しかし、難易度もそこそこ高めであるということは注意が必要です。
H2-3|採用広報ツールは三つのフェーズで役割が変わる
採用広報ツールは、「万能なもの」を選ぶのではなく、
どのフェーズで、何を達成したいかで使い分けます。
ここでは、H2-1で整理した
① 認知・理解
② 共感・応募
③ 改良・資産化
の三フェーズに沿って見ていきます。
① 認知・理解フェーズで機能するツール
このフェーズの目的は、存在を知ってもらい、正しく理解してもらうことです。
認知・理解フェーズで効果的なツールはSNS型ツールやコンテンツ型のツールのような広くアプローチできたり形としてわかりやすい採用広報が有効です。
追うべきKPI
- 会社ページ閲覧数
- フォロワー数
- 検索表示回数
- いいね、シェア数
この段階で数字が出ていない場合、次のフェーズに進む前に入口設計を見直す必要があります。
② 共感・応募フェーズで機能するツール
ここでは、「理解した」候補者を「応募したい」に変えることが目的です。
このフェーズではコンテンツ型ツール、中でもより会社の雰囲気や人間関係に踏み込んだコンテンツが有効です。またWantedlyのような採用プラットフォームはKPIが図りやすいのでとてもオススメです。Wantedlyならストーリー機能で採用に直結しやすいコンテンツを候補者に見てもらいやすいです。
追うべきKPI
- 記事の滞在時間
- スクロール率
- ストーリー経由の応募率
- 応募率(PV→応募)
より自社に興味を持っている状態の方たちをターゲットにしたコンテンツをつくり、そのターゲットになりうる方たちが多く分布する場所で発信していきましょう。
③ 改良・資産化フェーズで機能するツール
このフェーズは、採用広報を一過性で終わらせないためのフェーズです。
これは基本的にどのツールも有効になります。ですのでそれぞれバラバラに扱うよりも連携させ合って相乗効果を得るような運用をすると良いです。例えばnote用につくった記事をWantedlyで以降の高い人に見てもらったり、Xで広く興味を仰ぐように誘導するような設計にするのも一つの作戦です。
できること
- どの発信が効いたかの把握
- 改善ポイントの特定
- 次回採用への転用
追うべきKPI
- 更新頻度
- コンテンツ本数の推移
- 改善施策の実施回数
- 応募までの導線離脱率
このフェーズが回り始めると、採用広報は「資産」になります。そして、創ったコンテンツの結果をもとに更なる改良や新コンテンツの作成で正のスパイラルを生むことができます。
フェーズを無視したツール選定が失敗を生む
よくある、とりあえず動画つくって出すだけなどでは効果はあまり出ません。ちゃんとした戦略と必要に応じた使い分けが成功の秘訣です。
H2-5|【結論】0から始めるならこの採用広報ツールで十分
結論として、
採用広報を0から始めるなら、最初にやるべきことは多くありません。
まずは、
- 採用プラットフォームを一つ決める
- 会社紹介とストーリーを整える
- 更新・管理の最低限の仕組みをつくる
これだけで十分です。SNSや高度な分析は、回り始めてから足せば問題ありません。
H2-6|採用広報ツールを使い分けるメリットとは?
ツールを役割ごとに使い分けることで、採用広報は「頑張り型」から「仕組み型」に変わります。
- 発信内容が整理される
- チームで共有しやすくなる
- 改善ポイントが明確になる
結果として、再現性のある採用活動が可能になります。
H2-7|採用広報ツールは「設計」と「運用」で差がつく
最後に強調したいのは、ツールそのものが成果を生むわけではないという点です。
成果が出ている企業は、
- 誰に向けて
- 何を伝え
- どう続けるか
を先に決めています。ツールは、その設計を支える手段にすぎません。
どう設計したらいいのかわからない、とはいえどれがいいのかわからない、何もわからない
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