地方採用を成功に導く！地域特化エージェント11選紹介！
１．はじめに｜「採用が難しい時代」における地方企業の打ち手
「求人を出しても応募が来ない」「スカウトを送っても反応がない」。そんな悩みを抱える地方企業の採用担当者は、年々増えています。
背景には単なる“人手不足”ではなく、構造的な採用の変化があります。リモートワークの普及により、都市部にいながら地方企業で働くことが可能になった一方で、求職者の価値観は「年収」や「ネームバリュー」ではなく、“自分に合った働き方・共感できる組織”を選ぶ時代に変わりつつあります。
そんな中で注目を集めているのが、地域特化型エージェントの活用です。彼らは、地元ネットワークを活かしてU・Iターン人材を呼び込み、“都市部にはいない地元志向の優秀層”を企業と結びつけています。
この記事では、全国47都道府県の地域特化エージェントを整理しながら、「地方企業が採用を成功させるための戦略」を体系的に解説します。
２．地方採用の「いま」を整理する
2-1. 採用難の本質は“認知格差”にあり
地方企業が直面する最大の課題は、単なる人材不足ではなく、“知られていないこと”です。
多くの求職者は「地元に戻りたい」という意欲を持っていますが、どんな企業があるのか、どんなカルチャーで働けるのかを知る機会が少ない。結果として、「選ばれない」のではなく「知られていない」状態に陥っています。
その認知格差を埋めるのが、地域特化エージェントの情報力です。彼らは地場企業の魅力を“翻訳者”のように求職者へ伝え、「ここで働きたい」と思わせるストーリーを紡ぐ存在です。
2-2. 地場企業の採用は“兼務人事”が多いという現実
地方では、人事専任担当が不在の企業も少なくありません。総務・経理・営業と兼務しながら採用を担うケースも多く、採用業務の効率化やノウハウ蓄積が進みにくいのが現状です。
地域エージェントを活用すれば、求人設計・面談調整・候補者フォローなどの“煩雑な運用”を委ねられるだけでなく、
採用設計やペルソナ整理など、「戦略思考の採用」*にリソースを割くことができます。
2-3. U・Iターン採用は「地方の勝ち筋」になりつつある
東京都心に住む20〜40代の多くは、「いつか地元に戻りたい」「地域に貢献したい」という潜在意識を持っています。
特に近年は、テレワークや副業解禁の流れから、「地元企業で働きながら、全国とつながる」選択肢が現実的になりました。
地域特化エージェントは、こうした“都市部登録者の地方志向”を汲み取り、UIターン希望者と企業をマッチングさせています。
３．地方企業がエージェントを活用すべき3つの理由
3-1. 地域ネットワークを活かした“独自の母集団”
大手ナビサイトやスカウト媒体では出会えない人材層が、地域エージェントには存在します。
たとえば「大学卒業後、首都圏で経験を積んだが、将来的に家業や地域貢献のために地元へ戻りたい」というような層。こうした“地元回帰意識の高い人材”は、地域特化エージェントの登録データベースに多く存在します。
結果として、求人広告では届かない層にリーチできるのです。
3-2. 採用代行・広報・フォローまで“一気通貫支援”が可能
地方の採用課題は、母集団形成だけでなく「運用リソースの不足」にもあります。
地域特化エージェントは、単なる紹介業務ではなく、求人票のブラッシュアップ、スカウト代行、面接調整、定着支援までを担います。採用を“分業化”するのではなく、“伴走型で支える”のが特徴です。
人手が限られる地方企業にとって、実務の肩代わり＋戦略サポートは非常に大きな価値となります。
3-3. 「人の紹介」ではなく「地域と人の共創」を設計できる
優れた地域エージェントは、“紹介業者”ではなく“地域コーディネーター”です。自治体、大学、企業、移住支援団体などとのネットワークを持ち、「地域全体で人を迎え入れる仕組み」を設計しています。
採用の目的が「人を採ること」から「人が根付くこと」へと変化している今、地域エージェントとの連携は、企業ブランディングの延長線として機能します。
４．全国対応エージェントも地方採用で活かせる理由
4-1. 大手エージェントは「データベースの広さ」が武器
地方採用だからといって、地域密着型だけを使う必要はありません。実は、リクルートエージェントやdodaなどの全国対応型エージェントは、地方企業にとっても強力なパートナーになります。
大手エージェントには数百万規模の登録データがあり、その中には「UIターン希望者」や「地域勤務に興味がある層」が多数存在します。つまり、地方×大手の掛け算により、「母集団の広さ × 地域理解」の両立が可能になるのです。
4-2. 大手×地域エージェントの併用が最も効果的
地方採用における成功パターンは、「全国大手で広く集め、地域特化で深く刺す」ことです。
- 大手エージェント：量を担保（母集団形成）
- 地域エージェント：質を担保（カルチャーマッチ・定着率）
この二段構えにより、「応募が少ない」「定着しない」といった地方企業の典型課題を防ぐことができます。
4-3. 採用を“営業活動”として捉える視点が重要
採用担当者にとって、エージェントは「アウトソース先」ではなく「営業パートナー」です。母集団形成を“市場開拓”、求人票を“営業資料”、面談を“商談”と捉えることで、採用の生産性と成果が大きく変わります。
採用担当者は「人を選ぶ立場」ではなく、「選ばれる企業をどうつくるか」という視点を持つことが、エージェントとの関係構築でもっとも重要です。
５．地域特化エージェント 11選
全国には、地元人材と企業をつなぐ「地域特化エージェント」が多数存在します。
地場の大学や金融機関、自治体との連携を持つケースも多く、“地域密着型リクルーター”として強い信頼を得ています。
以下では、地域特化型の代表的なエージェントをピックアップします。
| 地方 | サービス名 |
|---|---|
| 北海道 | リージョナルキャリア北海道 |
| 宮城県 | ヒューレックス |
| 新潟県 | にいがた就職応援団CAREER |
| 石川県など北陸地方 | ほくりくFIT転職（人材情報センター） |
| 愛知県など東海地方 | MUSUBU |
| 愛知県・岐阜県・三重県 | R4CAREER |
| 大阪府 | クラス転職エージェント |
| 広島県 | メイツ中国 |
| 香川県 | かが転（カガワ転職エージェント） |
| 福岡県 | Liberty |
| 沖縄県 | ジョブアンテナエージェント |
北海道：リージョナルキャリア北海道
北海道へのU・Iターン転職を支援する転職エージェントサービスです。北海道内の幅広いエリア（札幌、函館、旭川、釧路など）で多数の求人（非公開求人含む）を紹介しています。転職だけでなく、オンライン／電話対応の相談会・セミナーも実施しており、キャリア相談・イベント参加も可能です。
- 強み：
・北海道本社・地域企業との強固なネットワークを有し、地元優良企業への転職比率が高いです。
・U・Iターン希望者に特化しており、「暮らしたいところで働く」選択肢を支援しています。
・非公開求人の紹介、キャリアコンサルティング、地域生活情報提供など、一人ひとりに丁寧な伴走型支援を実施しています。 - 特徴：
・サービス開始以来、北海道エリアに絞って転職支援を行っており、“北海道×U・Iターン”という明確なフォーカスがあります。
・「今すぐ転職したい」方だけでなく、「いつか転職したい」という中長期的なキャリア設計も支援する体制を持っています。
・面談満足度やサービス満足度といった実績データも公開されており、対応の質や信頼性を可視化しています。
宮城県：ヒューレックス（仙台本社）
地方・地域密着型の転職エージェントサービスを展開し、主にU・Iターン・地域転職を支援しています。
求職者の希望・スキルに応じて、履歴書・職務経歴書の添削、面接トレーニング、年収交渉などをワンストップでサポートします。企業側（採用側）とも多数ネットワークを持ち、地方優良企業・非公開求人の紹介を含めたマッチング支援を行っています。
- 特徴：
・地元金融機関・経済団体との提携により、他社には出回らない「地域優良企業・独占求人」を保有しており、地域採用に強みがあります。
・専任コンサルタントが転職成功まで一貫して伴走する体制を整えており、書類作成から面接・入社後フォローまでを支援しています。 - 強み：
・地域（特に東北・地方）に特化しており、地域事情を熟知したコンサルタントが在籍、地域転職・U・Iターンにおける採用支援に強いです。
・求職者・採用企業双方のニーズを踏まえ、「転職“後”の活躍」まで視野に入れたマッチングを目指しており、目先の紹介だけではない支援が特徴です。
新潟県：にいがた就職応援団CAREER
新潟県内に特化した転職エージェントサービスで、県内求人数を自社保有・公開あわせ「No.1」と謳っています。
求人掲載・個別面談・オンライン相談・週末対応など、転職希望者向けに無料サポートを提供しています。企業側にも「人材をお探しの企業様」専用窓口があり、県内採用におけるマッチングの機会を提供しています。
- 特徴：
・技術・機械・IT・事務・営業など幅広い職種（県内メーカー、建設、サービス業など）をカバーしています。
・求職者が「今すぐ転職希望」だけでなく、「将来的に転職を考えたい」という状況でも相談可能な体制も整っています。
・求職者情報・履歴書・職務経歴書のアップロード・ダウンロード機能をサイト上で備えており、企業側にもスムーズな候補者紹介環境を整えています。 - 強み：
・新潟県という地域にフォーカスしているため、地元企業の求人を豊富に保有・かつ県内事情に精通しています。
・求職者に対して「完全無料」「オンライン・週末相談可」といったサービス柔軟性を備えており、候補者の参加ハードルが低いです。
・企業・求職者双方のマッチング実績を公開しており、転職成功までサポート体制が整っています。
石川県：ほくりくFIT転職（人材情報センター）
ほくりくFIT転職（JJC転職）は、石川・富山・福井エリアに特化した地域密着型の転職エージェントです。
地元企業との強固なネットワークを活かし、U・Iターン希望者や地元でのキャリアアップを目指す方を幅広く支援。地元密着で北陸の企業との信頼を築いているため、大手転職サービスや競合では取り扱っていない求人情報が多くあります。登録者の希望に応じた「発掘型求人」提案も行うなど、北陸での転職に強みを持っています。石川版ほくりくFIT転職はこちらから。
- 特徴：
・石川・富山・福井エリアに特化し、U・Iターンや地元転職希望者への支援体制が整っています。
・製造・IT・サービス・医療・建設など幅広い職種を網羅しています。 - 強み：
・非公開求人が充実。「発掘型求人」アプローチで、登録者の希望に応じて地元企業から新たに求人を提案する体制があります。
・キャリアコンサルタントのサポートがとにかく手厚い。
・内定決定数は北陸ナンバー１。実績も北陸ナンバー１。
・地域内で実績豊富なエージェントとして、地域特性・企業風土・転職事情に深く精通しており、ミスマッチ軽減に寄与しています。
愛知県や静岡など東海地方：MUSUBU
MUSUBUは、企業の採用活動を支援する「採用のプロ集団」で、人材紹介・採用代行 (RPO)・採用動画制作などをワンストップで提供するエージェント／採用支援サービスです。
採用に関する企業の「人手不足」「母集団形成」「応募の質や量」「魅力の見せ方」といった課題に対し、オーダーメイドで対応し、効率的かつ質の高い採用をサポートすることを目的としています。また、人材紹介に留まらず、動画制作を用いた“企業魅力の可視化”など、求人票だけでは伝わりづらい情報発信にも対応。企業の採用ブランディングも支援します。
- 特徴：
・採用代行サービスにおいて、社内スタッフだけで一貫対応するため、高品質かつ安定したサポートを実現しています。
・求人広告や求職者紹介だけでなく、母集団形成から選考、入社後フォローまで「全工程」を見据えたトータルサポートが可能。採用の “質” と “スピード”、両方をバランスよく提供できます。
・採用動画制作サービスを通じて、「企業カルチャー」「現場の雰囲気」「リアルな働き方」などを映像で伝えられる点。これにより、企業の魅力をより強く、伝わりやすく打ち出せるのが特長です。 - 強み：
・面接設計やスカウト設計など、採用プロセスの“設計フェーズ”から関与 — 単に人を紹介するだけでなく、採用設計そのものを伴走して最適化。
・求職者・企業の双方に寄り添い、入社後のミスマッチを防ぐためのフォロー体制が整っており、紹介〜入社後まで一貫したサポートを実現。
愛知県・岐阜県・三重県：R4CAREER
- 特徴：東海三県に特化。地場メーカー・スタートアップ・IT企業に強み
- 強み：UIターン支援＋企業ブランディング提案まで対応
大阪府：クラス転職エージェント
- 特徴：関西圏の女性に特化した転職希望者向け支援。未経験からハイクラス、女性活躍企業の求人が豊富。
- 強み：20代、30代の女性地方転職マッチングに実績
広島県：メイツ中国
- 特徴：広島・岡山を中心に中国地方密着。地域経済団体とも連携
- 強み：中堅企業・管理部門・営業職に強い
香川県：かが転（カガワ転職エージェント）
- 特徴：香川県企業とUターン希望者のマッチング支援
- 強み：地元イベント・県庁主催セミナーとの連動施策あり
福岡県：Liberty
- 特徴：福岡で20代・30代の転職支援に特化した転職エージェント。
- 強み：一人当たりの面談時間や回数が多く、丁寧な支援が強み。転職後の定着率93.7%と非常に高い。
沖縄県：ジョブアンテナエージェント
- 特徴：沖縄発の転職支援企業。観光・IT・ベンチャー業界に強い
- 強み：地域企業との関係性が深く、求職者との距離が近い
６．地方採用で失敗しないエージェント選びのポイント
6-1. 採用ターゲットを「年齢×職種×志向」で整理する
「若手の営業職が欲しい」「リーダー層を採りたい」など、漠然としたターゲット設定では、エージェントも動きにくくなります。採用成功の第一歩は、ターゲットを3軸で明確化すること。
| 軸 | 例 | 解説 |
|---|---|---|
| 年齢・経験 | 20代／第二新卒／ミドル層 | キャリア志向と年収水準を整理 |
| 職種・スキル | 営業／技術／バックオフィス | 求人票の訴求ポイントを明確に |
| 価値観・志向 | 地域貢献／安定志向／挑戦志向 | 企業文化とのフィットを定義 |
6-2. 契約前に「紹介スタイル」を確認する
エージェントによって、紹介スタイルが大きく異なります。
- 「紹介数重視型」：応募数は増えるがミスマッチも多い
- 「厳選紹介型」：量は少ないがマッチ度が高い
地方企業におすすめなのは、後者。定着率・文化フィットを重視した“長期目線の採用”に繋がります。
6-3. エージェント任せにせず“共創パートナー”として付き合う
良いエージェントほど、企業の採用担当と“共に戦略を作る”姿勢を持っています。求人票・選考設計・面接後のフィードバック共有まで、密に連携することで、紹介精度は飛躍的に上がります。
採用担当者は、単なる「お願いする側」ではなく、“パートナーとして共に採用をつくる”意識が大切です。
まとめ｜地域ネットワークを“採用資産”に変える
地方採用の本質は、「人を採ること」ではなく「人が根づく仕組みをつくること」です。そのためには、単発的な採用成功ではなく、採用を資産化する視点が欠かせません。
- 大手エージェントで母集団を広げ、地域特化で深く刺す
- エージェントとの関係を“共創型”に変える
- 採用を経営戦略の一部として捉える
こうした視点を持つことで、地方企業の採用は確実に強くなります。あなたの地域に、きっと“最良の採用パートナー”が存在しています。まずは一社、信頼できるエージェントとの対話から始めてみてください。
