【業界別エージェント比較】総合・IT・介護など14社の特徴と選び方

そもそも転職エージェントとは?|仕組みと企業が使う意味
近年、人材獲得競争が激化する中で、企業にとって採用活動は経営の根幹に関わる重要なミッションとなっています。特に中小企業やベンチャー企業においては、限られたリソースでいかに優秀な人材を確保するかが成長を左右する要因となります。
こうした中で注目されているのが「転職エージェント」の活用です。
転職エージェントとは、求人企業と求職者を結びつける“人材紹介サービス”のことで、登録された求職者の中から、企業の要件にマッチした人材を厳選して紹介してくれる仕組みです。採用活動に伴う煩雑な工程(募集、選考調整、候補者フォローなど)を担ってくれるため、採用工数の削減にもつながります。
また、求職者にとってもエージェントは、非公開求人へのアクセスやキャリア相談の機会を提供してくれる貴重な存在です。こうした「企業」と「個人」をつなぐ役割が、転職エージェントの本質と言えるでしょう。
企業側にとっての最大の価値は、採用成功までのスピードを高めつつ、ミスマッチを防ぎやすい点にあります。自社に合った採用パートナーを選ぶことで、戦略的かつ効率的な人材獲得が実現可能です。
転職エージェントを選ぶときの3つの比較ポイント
多様なエージェントが存在する中で、企業がパートナー選定で失敗しないためには、「自社との相性」を軸に以下の3つの観点で比較することが重要です。
対応職種・エリア・ターゲットの一致
エージェントはそれぞれに強みを持つ領域が異なります。たとえば、あるエージェントは若手の営業職に強く、別のエージェントは地方のITエンジニアに強い、というように得意分野が分かれています。
そのため、自社が採用したい職種や勤務地、年齢層にエージェントの得意領域が一致しているかを確認することが、まず第一ステップとなります。エージェントが持っている求職者データベースの構成を確認したり、過去の紹介実績を聞くのも効果的です。
キャリアアドバイザーの専門性と質
候補者と接点を持つ「キャリアアドバイザー」の質も、エージェント選定において見逃せないポイントです。人材業界への理解度だけでなく、自社の業界や職種に対する知識、また求職者との信頼構築力が高いかどうかも重要です。
質の高いアドバイザーであれば、候補者の本音や志向性を把握したうえで推薦してくれるため、入社後のミスマッチを減らすことが可能になります。面談の様子を確認できる場合は、事前にチェックしておきましょう。
紹介人数・推薦精度・スピード感のバランス
スピーディーにたくさん紹介してくれるエージェントもあれば、厳選して1〜2名ずつ送ってくるところもあります。どちらが良いかは、企業の採用フェーズや採用基準によって異なります。
数を重視する場合でも、最低限の推薦理由や候補者理解は欲しいところです。逆に、精度を重視する場合は、多少時間がかかっても「なぜこの人を紹介したのか?」という背景がわかるエージェントを選ぶべきでしょう。
【業界別】おすすめ転職エージェント14選|特徴と比較ポイント
企業が目的に応じて使い分けられるよう、以下では業界別におすすめのエージェントを紹介します。各サービスの「特徴」と「強み」を丁寧に整理し、企業がパートナー選定を行う際の判断材料になるよう構成しています。
総合型エージェント(3社)|幅広い職種・地域に対応
リクルートエージェント
- 特徴:日本最大級の求人数を誇る総合型エージェントで、全国のあらゆる業種・職種に対応。特に営業、事務、エンジニアなど職種バリエーションが豊富。
- 強み:幅広い業種に対応できるため、複数職種の同時採用にも向いている。書類添削や日程調整などの支援も整っており、企業側の手間を最小化できる点が魅力。
doda
- 特徴:転職サイトと人材紹介を組み合わせたハイブリッド型サービスを展開。利用者の年齢層は20〜40代が中心で、ITやメーカー、サービス業などに強い。
- 強み:スカウト機能を併用できるため、自社でも候補者にアプローチ可能。採用広報と組み合わせた施策提案ができる点も、母集団形成に役立つ。
マイナビエージェント
- 特徴:20〜30代の若手社会人層に強いエージェント。職種は営業・事務・エンジニアを中心に幅広く対応。
- 強み:丁寧な面談によって形成された候補者のキャリア観をもとに提案されるため、カルチャーフィットを重視する企業との相性が良い。
ハイクラス転職向けエージェント(2社)|経営・管理職クラスに特化
LHH転職エージェント(旧アデコ)
- 特徴:グローバル企業・外資系企業・マネジメントクラスの転職支援に特化した人材紹介会社。
- 強み:英語対応が可能なコンサルタントが多数在籍しており、海外展開企業やバイリンガル人材の採用に有利。企業戦略と連動したハイレイヤー人材の確保に強みを発揮する。
JACリクルートメント
- 特徴:年収600〜1,500万円の専門職・マネジメント層に特化したエージェントで、外資・日系企業両方に精通。
- 強み:企業と候補者の両面を一人のコンサルタントが担当する「両面型」のスタイルにより、深い理解をもとにした紹介が可能。ピンポイント採用に最適。
建築業界向けエージェント(3社)|職種特化でミスマッチを回避
RSG建設転職
- 特徴:建設・設備・プラント業界に特化した人材紹介会社。施工管理や設備設計などの専門職採用に実績がある。
- 強み:現場を理解したコンサルタントが在籍しており、即戦力採用に対応。中小〜中堅建設会社の採用支援も得意。
ビルドジョブ
- 特徴:建設系の中小企業と地域密着型で提携し、職人・技術職など手に職系人材の紹介に強い。
- 強み:地場企業とのつながりが深く、柔軟な対応とスピード感に優れる。採用に不慣れな企業への支援も手厚い。
建築転職
- 特徴:建築士・施工管理技士など、資格保有者の採用に特化。専門性の高い案件を多数保有。
- 強み:設計・積算・監理など、業務内容に対する理解が深いアドバイザーが対応。マッチ度の高い提案が可能。
介護職専門エージェント(3社)|有資格者・未経験者にも対応
マイナビ介護職
- 特徴:全国対応可能で、介護施設の求人掲載数が業界でもトップクラス。
- 強み:施設とのコミュニケーションが密で、現場の雰囲気や風土など、定性的な情報を踏まえたマッチングが可能。早期離職防止につながる支援が魅力。
介護ワーカー
- 特徴:スピーディーな対応と手厚いフォロー体制が特長。面接調整や履歴書作成サポートも実施。
- 強み:未経験者〜ベテラン層まで幅広く対応可能。地方施設の採用支援にも強く、短期間での採用が可能。
カイゴジョブエージェント
- 特徴:職場見学同行、面接同席など求職者との並走支援が評価されている。
- 強み:細やかなヒアリングを通じて、介護職に対する志望動機や適性を引き出したうえでマッチング。利用者の定着率の高さが実績として裏付けられている。
IT・エンジニア転職特化エージェント(3社)|技術職のキャリア支援
レバテックキャリア
- 特徴:ITエンジニア・Webデザイナーなど技術職に特化した人材紹介。保有求人の多くが開発・インフラ系。
- 強み:アドバイザーが技術トレンドに精通しており、スキルセットを正確に理解したうえでの提案が可能。現場とのミスマッチが起きにくい。
リクルートエージェントIT
- 特徴:リクルートのネットワークを活かし、IT・Web業界の求人を多数保有。
- 強み:若手〜中堅エンジニアの幅広い案件を網羅し、非公開求人も豊富。組織規模やプロジェクト規模に応じた人材提案が可能。
ウィルオブテック
- 特徴:未経験からエンジニアへのキャリアチェンジを支援する特化型エージェント。
- 強み:研修サービスと連携しており、スキル育成から転職までを一貫支援。若手人材のポテンシャル採用に最適。
転職エージェントを使うメリット・デメリット|内製との違いも解説
採用成功率・リードタイムの観点でのメリット
転職エージェントは候補者の志向や価値観まで把握した上で推薦してくれるため、マッチ度の高い採用が実現しやすいです。また、即戦力人材をスピーディーに集められるため、急募ポジションの充足にも有効です。
コスト・自社理解の観点でのデメリット
一方で、成功報酬型のため費用が高額になりがちです(年収の30~35%が相場)。また、エージェントによっては企業理解が浅く、期待と異なる人材を紹介されるケースもあります。
求人広告・スカウト・内製との比較で考える活用方法
求人広告=待ちの採用、スカウト=攻めの採用、エージェント=伴走型採用と定義すると、自社のフェーズや職種によって使い分けるのがベストです。たとえば、母集団形成には広告、ミドル〜ハイレイヤーにはエージェントが効果的というように、目的に応じて併用する戦略が鍵となります。
転職エージェントをうまく活用するコツ|成功企業に学ぶポイント
依頼時に伝えるべき情報と期待値のすり合わせ
採用要件だけでなく、組織の課題や将来像、カルチャーの特徴なども積極的に共有することで、エージェントがより精度の高いマッチングを行いやすくなります。求人票以上の“空気感”を伝えることが重要です。
ミスマッチを防ぐ選考連携のコツ
紹介された候補者に対しては、面接後のフィードバックを迅速に行いましょう。これはエージェントの学習機会になるだけでなく、候補者への対応速度が応募意欲にも直結するため、スピードと正確性が重要です。
定期的な振り返りとKPI設定で成果を最大化
「月間推薦数」「面談通過率」「内定率」などのKPIをエージェントと共有し、改善点を共に議論する文化を作ると、より良い成果に結びつきます。単発の依頼ではなく、長期的なパートナーシップを前提に運用するのがおすすめです。
まとめ|自社に合った転職エージェントを選ぶために今すぐできること
目的に合ったエージェント分類を整理する
“急募ポジションを早期に充足したい”のか、“カルチャーフィットした人材を採用したい”のか。それに応じて、「スピード型」「特化型」「ハイクラス型」など、自社にとって最適なカテゴリを明確にするところから始めましょう。
比較ポイントを表で可視化し、定期的に見直す
候補となる複数社のエージェントを横並びで評価し、対応スピード・推薦精度・候補者の質などを定期的にチェックすることで、常に最適なパートナーを維持できます。
「攻め」と「守り」を両立した採用戦略の設計を
採用活動はひとつの手法だけに依存すべきではありません。エージェント・広告・スカウトを組み合わせて、自社にとっての最適な“採用ポートフォリオ”を構築することが、成果の出る採用戦略の鍵です。
貴社にあったエージェント選びのお力になれれば幸いです。
Synayakaでは採用について総合的に支援しておりますのでもっといろんなこと聞いてみたいなどございましたらオンライン面談を受けつけておりますので気軽にお申込みください。